「花様年華」、または「BU(バンタンユニバース)」とは、BTSのミュージックビデオやミニ冊子等で展開された架空のストーリーのこと。一体どんなストーリーなのか、おさらいがてらまとめました。
この記事では個人的な考察ではなく、公式によるTHE NOTESやウェブトゥーンで描かれたストーリーを簡潔にまとめていこうと思います。10分もあれば読めます。
それゆえかなり端折っています。とくにジン以外の6人の過去やトラウマ、それをどのように乗り越えいくかという部分は大幅に省略しているのでご了承ください。
花様年華の意味は?
「花様年華」とは元々中国の言葉で「人生で最も美しい瞬間」「青春」という意味を持つ言葉です。2000年に公開された香港映画のタイトルにもなっています。
そんな「花様年華」という言葉をテーマにストーリーを紡ぎだしたのが、BTSが2015年よりリリースしたアルバム「花様年華」シリーズです。「青春3部作」とも呼ばれていて、このテーマのもと「花様年華 pt.1」「花様年華 pt.2」「花様年華 Young Forever」と3つのアルバムがリリースされました。
「花様年華」シリーズでは、BTSのメンバー7人が架空のキャラクターを演じたストーリーが曲の歌詞やミュージックビデオ、付属冊子などで展開します。もちろん現実ではない架空のストーリーですが、性格や好みなどが一部本人たちとリンクする形で描かれました。
ストーリーは「花様年華」シリーズが終わったあとも「BU(バンタンユニバース)」として一部楽曲で引き継がれており、まだ完結していません。
超ざっくりあらすじ&7人の過去
まずは花様年華のストーリーの全体像をざっくり把握しておきましょう。花様年華~WINGS~LOVE YOURSELF~MAP OF THE SOULの間にこれだけのストーリーが描かれました。
ソクジン ― 街の権力者の息子。12歳のときに母親が亡くなり、その後は祖母のいるアメリカで暮らしていた。父親の言うことは絶対。
ユンギ ― 母親の厳しいしつけのもとでピアノを習っていたが、中学生の頃に母親を火事で亡くす。現在は父親と窮屈な生活。
ホソク ― 7歳のときに母親に遊園地に置き去りにされ、養護施設で育つ。12歳でダンスに出合い没頭する。
ナムジュン ― 貧しい家庭に育つ。父は病気で働けず母も体調を崩し、家族のためにナムジュンがアルバイトでお金を稼がないといけないという状況。
ジミン ― 小学1年のときの遠足で誘拐事件を目撃。そのことがきっかけで発作を起こすようになり、入退院を繰り返す。
テヒョン ― アルコール依存症の父親からの暴力に姉とともに耐える日々。母親は父の暴力に耐えかね姉とテヒョンをおいて出ていく。
ジョングク ― 7歳のときに父親が「生きるのが辛い」と家を出ていく。その後再婚した母親と義父、義兄と暮らすが、家に居場所がない。
①7人の出会いと幸せな思い出
ソクジンがアメリカから帰国し、ほかの6人が通う学校に転校してきます。7人は同じ日に遅刻したことがきっかけで意気投合。
6月12日、ナムジュンの提案で7人は歩いて海へ。海に向かって夢を叫び、7人一緒に写真を撮ります。この頃の美しい思い出=花様年華が、その後タイムリープを繰り返すソクジンにとって心の拠り所になります。
そんなソクジンですが、実は6人の悪さを校長に密告するという裏切り行為を行っていました。父親からいい子でいろと強要されていることを知る校長に脅されてのことです。しかしこの密告がきっかけでユンギは退学に。ソクジンは自らの裏切りを打ち明けることができないまま、アメリカの学校へ転校します。
②タイムリープ(ソクジン介入編)の始まり
1年半後、アメリカから帰国したソクジンは6人の悲惨な現在を知ることになります。
ユンギ ― 精神が不安定な状態が続き、焼身自殺を図り亡くなる。
ホソク ― 事故で入院。
ナムジュン ― アルバイト先で横柄な客を殴る。示談金を払うことができず拘置所へ。
ジミン ― 消息不明(母親によって長期入院させられている)。
テヒョン ― 姉に暴力を振るう父親を酒瓶で刺し殺し、逮捕される。
ジョングク ― わざと不良にぶつかって暴行されたあと、ビルの屋上で足を滑らせて転落死。
絶望したソクジンはあの日みんなで訪れた海へいき、そこで不思議な猫(らしき生き物)からタイムリープの力を授かります。そこからソクジンはタイムリープをして、6人の不幸を回避するため奔走することになります。
全員を救う方法を模索するソクジンですが、なかなかうまくいかずに何度もタイムリープを繰り返します。タイムリープはソクジンの意思で行われるのではなく、6人のうち誰かが不幸になるたび強制的に行われ、必ず同じ日(4月11日)に戻ってしまいます。
何度も訪れるバッドエンドに一度は心が折れかけたソクジンですが、数え切れないタイムリープの末、ついに全員の不幸を回避することに成功。ソクジンが初めてタイムリープをした5月22日が近づき、ここからはソクジンも知らない未来を7人で一緒に歩んでいくはずでした。
しかし、思い出の海にまた7人でいった日、テヒョンが突然展望台から海に飛び降り、ソクジンは再び4月11日にタイムリープしてしまいます。みんなを救ったと思っていたソクジンでしたが、テヒョンが心に抱える問題までは取り払うことができていませんでした。
③タイムリープ(助け合わせよう編)の果ての決別
再びソクジンがタイムリープをする日々が始まります。そこでソクジンは、本当の意味で6人を救うには自分が介入するのではなく、6人自身が少しずつ行動を変えていくべきだと気付きます。
それからソクジンは自分が直接的に助けるのではなく、6人を誘導してお互いが助け合うよう仕向けるようになります。この方法はタイムリープを繰り返すごとにうまくいくようになりますが、テヒョンはソクジンの誘導的な行動に不信感を募らせます。このころテヒョンはソクジンがタイムリープで書き換える前の不幸な出来事を何度も夢にみて苦しんでいました。
そして7人は再び思い出の海へ。ソクジンはそこで過去の自分の裏切り(校長先生への密告)を打ち明けようとしますが、精神が不安定だったテヒョンがそのことをソクジンが話す前にみんなにバラしてしまいます。そしてこの日を境に7人の交流は再び途絶えることになります。
④それぞれの出会いと2つの事故
海にいった日以降、再び疎遠となった7人。それでも以前よりは穏やかな生活を送り始めた彼らに、女性たちとの出会いが訪れます。この女性たちとの出会いと別れは、彼らが少しずつ自分自身と向き合うきっかけになっていきます。
しかしジョングクだけは状況が違いました。実はあの日海にいった帰り、ジョングクは轢き逃げ事故に遭い1週間も生死を彷徨っていました。ジョングクの入院を知ったホソクは5人に連絡をいれますが、それぞれの事情や葛藤から以前のように気軽に7人が集まることはありませんでした。
そんな中、ジョングクはある疑惑を募らせます。それは「あの日自分を轢いたのはソクジンで、他の5人もグルになってソクジンを庇っているのでは」というもの。ジョングクは事故以来悪夢を見続けており、その悪夢で鳴り響くブレーキ音がソクジンの車のブレーキ音に似ていたためです。
一方その頃ソクジンはある女性と出会い恋に落ちます。彼女が落とした手帳から彼女の夢や願いを知ったソクジンは、それらを叶えてあげることで彼女の理想の男性を演じるようになります。彼女の願いの1つは「いつかスメラルドの花をみたい」というもの。
どれだけ探しても見つからなかったスメラルドの花ですが、ついにスメラルドを販売予定だという花屋を発見。ソクジンは花火大会の日にその花を予約して彼女に思いを伝えようと心に決めます。しかし花火大会当日、ソクジンの目の前で彼女はスメラルドの配送トラックに轢かれます。そして終わったはずのタイムリープが再び起こってしまいます。
⑤再び始まるタイムリープ(ナムジュンを救え編)
タイムリープ後これまでと同じように6人を救い、彼女のことも助けたソクジン。しかしその後新たな不幸が起こります。それはソクジンの父親が関わる街の再開発により、ナムジュンが住むコンテナ街が火災になりナムジュンが亡くなるというもの。
なぜかこの出来事だけは何度タイムリープをしても回避することができず、ソクジンは何度も目の前でナムジュンが命を落とすのを目撃します。そして疲弊しきったソクジンのもとにある日、タイムリープの力を与えた猫が再び姿を現します。
猫にナムジュンを助ける方法を聞いたソクジンは「魂の地図を探せ」とヒントをもらいますが、ヒントの代償として幸せな記憶を奪われます。ソクジンにとっての幸せな記憶とは、7人で笑って過ごした美しい日々=花様年華の思い出でした。
その結果、ソクジンはみんなを救ってまた7人で幸せに過ごすためではなく、ただこのタイムリープを終わらせるために行動するようになります。
⑥タイムリープ(効率優先編)と魂の地図探し
幸せな記憶を失ったソクジンは、とにかく効率よくタイムリープを終わらせることに注力します。そんなソクジンの行動を怪しんでいたテヒョンでしたが、次第にソクジンが自分たちを助けるために苦しんでいること、そしてソクジンが昔の記憶を失っていることに気が付きます。
再び7人で海にいった日、ソクジンとの会話を通してその事実を確信したテヒョンは、そのことをナムジュンに打ち明けます。そしてソクジンが探しているらしい魂の地図について、みんなで調べ始めます。
この魂の地図探しは入院中だったジョングクを気遣いジョングク抜きで行われましたが、このことでジョングクはのけ者にされていると感じて余計に彼らへの不信感を募らせていきます。自分を轢いたのはソクジンかもしれないという疑念は、ジョングクの中でもはや確信に変わっていました。
一方、魂の地図について探る中で、ソクジンの父が進める都市開発の様々な不正、そしてソクジンの父も過去に友人を救うためにタイムリープをしていたが失敗に終わっていたことが判明します。
7人での思い出を映したポラロイドをきっかけに記憶を取り戻したソクジンは、必要だったのはみんなを助け過ちを正そうとする前にまず自分自身と向き合うことだったのだと気が付きます。そしてソクジンは6人に学生時代の裏切りとこれまでのループについて打ち明けます。
このときジョングクだけはソクジンの話を冷めた様子で聞き1人でその場を立ち去りますが、誰もジョングクが去ったことにさえ気が付きません。
そしてソクジンは父の不正を告発し、父親は逮捕されます。公判ですべての罪を認めた父は、ソクジンが初めてみる安らかな表情をしていました。父は「僕の魂の地図をみつけた。すべてがここで終わる」と書き残していました。
まとめ
ここまでが現在明らかになっているストーリーです。かなり早足で大筋だけを追いましたがいかがでしたか?
まだまだ謎は多く残されており、さらにジョングクが兄たちから孤立し疑心暗鬼という苦しすぎるこの状況。次のカムバックで果たしてこの続きが描かれるのか、目が離せませんね!
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